父がいなくなった我が家は、一家の大黒柱が居なくなったことで経済的に辛い状態になる、、どころか、ろくに店の仕事をせず売上を飲んで遊ぶことに使っていた父だっただけに、いなくなってかえって経済的には安定した。
気持ち的にも私は、有名帽子店のボンボンでチャラチャラした性格の父があまり好きではなかったし、2度と会いたくないと思っていた。 店の仕事はそれほどたいへんではなく、それほど広い店ではないのに景気が良かったので従業員を何人も雇っていて、私も小学生の時から店の手伝いをし、接客もしていた。 店にはラジオがあり当時の流行歌(青江美奈、ピンキーとキラーズ、布施明etc)が流れ、音楽を聴くのが好きだった母は気に入った曲のタイトルを紙に書き、それを当時小学校低学年の私にもたせレコードを買いに行くように命じ、当時シングル盤が360円の時代、おつりの40円をお駄賃で貰えるので、私も喜んで買いに行っていた。 今はもう無いが当時徒歩30秒の場所にレコード屋が2件もあり、1件が大人よりの在庫の「カネサシ」、もう1件が若者よりの在庫の「ヨネヤマ」となんとなく棲み分けが出来ていたようだ。 母はなるべく「ヨネヤマ」で買うように言っていた。なぜなら「ヨネヤマ」の方がレコードの入ったビニール袋の質がしっかりしていたからだ。 ~母に頼まれて買ってきたレコード、覚えているのだけ~ 「恍惚のブルース/青江美奈」 「布施明/best」 「ピンキーとキラーズ/恋の季節」 「森進一/冬の旅」 「ラブユー東京/黒沢明とロス・プリモス」 「夜明けのスキャット/由紀さおり」 まだいっぱいあったはずだけど思い出せない、、 最初は子供らしく、当時流行の「鉄腕アトム」や「鉄人28号」「エイトマン」「スーパージェッター」などのソノシート盤を買って聴いていた私だったが、母用に買ってきた大人の流行歌も一緒に聴くうちにソノシートと違ってレコード盤の方が音が良いことに気づき、歌の内容などは解らないが音質の良さだけでそのうち自分の意志で流行歌のレコードを買い、聴きはじめる。当時まだ小学校低学年。 次回に続く
by u-and-i
| 2009-12-10 16:07
| 音楽
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